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8月
 
 まとまった休みを利用して帰省したり旅行に出かけたりと、飛行機を利用する方も多いのではないでしょうか。高度1万メートル程の高さを飛ぶ飛行機は、今やなくてはならない交通手段となっていますね。ライト兄弟によって初飛行が成功したのは、たった1世紀前の1903年のことでした。
20世紀の間に科学は急速に進歩し、もはや飛行機が空を飛ぶのは当たり前になってしまいましたが、ちょっと考えると不思議なことがいっぱいなのです。
 例えば、飛行機の中の温度です。上空1万メートルの気温はマイナス50度もの極寒の世界です。しかし、飛行機の中の温度は24度くらいに設定されており、極寒の世界を飛んでいることを感じることはみじんもありません。地上と変わらない快適な環境で過ごせるように設定されているのです。飛行機の中と外では実際には70度以上もの差があるのですが、これだけの気温差を解消するだけの優れたエアコンが飛行機にはあるのです。
 飛行機の中の温度は、飛行機の外よりも70度以上も高く設定されています。さぞかし強力な暖房をかけているのでは、と考えますが、実際は暖房どころか冷房をかけているのです。
 その理由は気圧にあります。飛行機の外は気温がマイナス50度だとしても気圧は260ヘクトパスカルと
地上の気圧の4分の1以下です。
 人間はこのような気圧の低い状態では生きていけないため、空気を圧縮する必要があります。空気は圧縮すると暖かくなる性質があり、260ヘクトパスカルの空気を800ヘクトパスカルまで圧縮すると気温は一気に28度まで上がるのです。これでは快適な温度より高めになってしまうので、24度くらいまで冷却して、機内へと取り込んでいるのです。
 機内の気圧は800ヘクトパスカルと地上の気圧よりは低めですが、体に影響を与えることはありません。このように圧縮、冷却された空気は機内に十分とりこまれていて、たった2分間で機内のすべての空気が交換できるほど、乗客一人あたりでは、1分間にドラムかん3本もの空気を吸えるだけの量が換気されているのです。飛行機に搭乗するときは、快適な機内の環境がどうやってつくられているか、思いを巡らせてみてはいかがでしょう。
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