北海道の富良野地方では、ラベンダーが見頃を迎えています。
紫色のじゅうたんが一面に広がったようにみえる風景は富良野地方の風物詩となっていて、毎年多くの観光客が訪れています。
ラベンダーは、ヨーロッパ南部原産のシソ科の多年草で、香り高いのが特徴です。その昔、古代ローマ人は衣類を洗うときにラベンダーの花を使っていたため、ラテン語の「洗う」という意味をもつ言葉がラベンダーの語源とされています。
また、その鮮やかな青い花の色から「青い」の意を持つ「リブィリ」という言葉が語源、という説もあります。
古代ヨーロッパでは、ラベンダーを洗濯だけではなくいろいろなものに利用してきました。「医者入らず」のハーブとして家庭の常備薬とされ、筋肉痛の緩和や風邪の予防として利用されたほか、安眠効果や緊張緩和を得る、現在のアロマテラピーに該当する使われ方もされてきました。
これらの様々な利用法は、現在にいたってもとても有効なものです。ラベンダーは自宅でも手軽に育てられる植物のひとつですが、乾燥、冷涼な地域に適した植物なので長雨や強い日ざしが苦手です。土は常に乾燥気味にしておいた方がいいので、雨の時は移動できるように鉢植えにしておくといいでしょう。 |
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エッセンシャルオイル(精油)とは、植物の花や茎、葉などから得られる油のことで、昆虫をひきつけたり、害虫をよせつけない作用があるともいわれていますが、その機能ははっきりとはわかっていません。
ただ、人間に効果があるのは確かなようで、ラベンダーの小さな花からとれるエッセンシャルオイルは、石けんや香水、化粧水やいろいろなものの香り付けに使われています。
ラベンダーのオイルは、「メンタル面」と「フィジカル面」の両方で効果を発揮します。メンタル面では、ラベンダーには気持ちを落ち着かせる「鎮静効果」があり、頭がさえて眠れないときなどは枕元で芳香浴(ほうこうよく)をすると、リラックスできてぐっすり眠りにつくことができます。気持ちを安定させたいときにも効果的です。
フィジカル面での作用としては、痛みを軽くする「鎮痛効果」が期待できます。お湯をはったボウルに1、2滴オイルを加えてタオルに浸し、患部に当てるとよいでしょう。最近は、エッセンシャルオイルを専門に扱うお店も増えてきているので、ぜひ手にいれてみてはいかがでしょうか。 |