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 これから夏に向けて旬を迎える野菜にトマトがあります。トマトは、野菜別生産量で世界1位のたいへん人気のある野菜です。
 トマトはナス科の植物で、その原産地はアンデス山脈西斜面のペルーやエクアドル地方といわれていて、紀元前のうちに現地の民族の移住によってメキシコに伝えられました。その後、16世紀には観賞用としてヨーロッパへ渡り、日本へ伝わったのは17世紀といわれています。
 明治の初めには日本でも食用としての栽培が始まりましたが、当時は日本人の好みにあわず、生産量はわずかなものでした。しかし食生活の洋風化とたび重なる品種改良の結果、需要が急増し、現在のような人気の野菜となったのです。
 トマトの人気のひみつは、味に加えて栄養面でも優れた野菜であることです。西洋に「トマトが赤くなると、医者が青くなる」ということわざがあるくらい栄養価が高く、特にビタミンCとリコピンが豊富に含まれています。
 ビタミンCはトマトに含まれるルチンとともに、血圧を下げる効果を持っているので、トマトを食べることによって高血圧の改善が期待できます。ハウスもののトマトなら冬でも食べることができますが、露地もののトマトはビタミンCがその1・4倍も含まれているので、露地ものが出回る夏は味だけでなくトマトの栄養価も優れた季節といえるでしょう。
 またトマトの赤い色素であるリコピンは、がんや動脈硬化症などの生活習慣病を引き起こしたり老化をすすめる活性酸素を取り除くのに強い効果をもっています。体の健康を維持するためにもトマトを積極的に食べたいものですね。
 トマトの豊富な栄養を効率よく摂取するにはどのように食べればよいのでしょうか。生活習慣病予防に優れた効果を発揮するリコピンは熱に強いものの、夏のトマトに豊富なビタミンCは、煮るなどして熱を加えてしまうと壊れたり流出してしまって効果的に摂取することができません。
 そのためトマトを食べるなら、サラダがおすすめです。果物のような甘さとみずみずしさを持ったトマトは、生でも十分にそのおいしさを味わうことができます。
 お店で多く見かけるトマトは、青いうちに収穫されて食卓にのぼるころに赤くなるというものですが、熟してから収穫される完熟(かんじゅく)トマトはより多くのビタミンCを含んでいます。そのため、サラダにするときも完熟トマトを使うとよいでしょう。暑い夏には、栄養価も高いさっぱりとしたトマトのサラダはいかがでしょうか。
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