日本では、これから徐々に台風の接近や上陸の心配が大きくなってきます。
台風が日本に近づいているとき、天気予報やニュースなどで「超大型で強い台風が・・・」などと台風の「大きさ」や「強さ」を表す言葉を良く耳にします。皆さんは、この表現を正しく理解しているでしょうか。
例えば、大きな被害をもたらすのは大型の台風だけとは限りません。台風による被害は、「大きさ」だけでなく、風の強さ、雨量などによってさまざまです。大型でなくても大きな被害を引き起こした台風は過去にいくつもあります。
また、強い台風は必ず強い雨を降らせるのでしょうか。台風の「強さ」は雨を基準に決められているわけではありません。同じ強さの台風でも降らす雨の量はさまざまで、風が非常に強くて雨の多くない台風もめずらしくないのです。
最後に、中心付近の風が強いほど強い台風になるのかというと、これは正解です。台風の「強さ」は風の強さによって決められているのです。台風は雨、風ともに特に激しい現象なので、ちょっとした勘違いが大きな事故につながることもあります。正しく理解して防災に努めたいものですね。 |
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台風の「大きさ」と「強さ」は、被害に直結する風によって決められています。「大きさ」とは、風速15メートル以上の強い風が吹く範囲の広さで分類されます。
風速が15メートル以上になっている範囲が半径500キロ以上800キロ未満だと「大型」または「大きい」、800キロ以上だと「超大型」または「非常に大きい」と表現されます。
台風の「大きさ」とは、台風の強い風が影響を及ぼす範囲にあたるものなので、台風が大きいほど、中心が遠くにあっても日本に影響があらわれやすいといえるでしょう。
そして「強さ」とは、中心付近の最大風速で分けています。最大風速が33メートル以上44メートル未満だと「強い」、44メートル以上54メートル未満だと「非常に強い」、そして54メートル以上だと「猛烈な」という表現が使われます。
つまり、台風は強いほど風による被害も大きくなることが予想されるのです。このように、台風の「大きさ」や「強さ」はいずれも風のみで決まるため、その表現から雨の強さを判断することはできません。「超大型で猛烈な台風」と表現される台風より、「台風」の方が大雨による被害は大きいということもあり得るのです。
台風が近づいている場合は、台風の表現が風速で分類されていることをしっかりと認識し、「猛烈」や「超大型」という表現のついた台風の場合は、特に暴風対策をしっかりして、雨の降る範囲や強さ、また予想される災害などは、テレビやラジオなどの台風情報でこまめに確認するようにしましょう。 |