雪国の遊びといえば、皆さんは何を想像されるでしょうか。雪がさほど多くなくても雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりして遊ぶことができますが、特に雪の多い地域では、かまくらを作ることも多いことでしょう。
雪の山をくりぬいて作ったかまくらには、火を囲んでおもちを焼きながらおいしい甘酒を飲むといった風習があり、子どもだけでなく大人にとっても魅力的なものです。
かまくらを作るには、まず雪を踏むことから始めます。踏み固められた場所にさらに雪を積み、また踏み固めていくことで、次第に固くしまった雪の山ができあがります。
かまくらで有名な秋田県横手市では、かまくらづくりの際、直径3メートルの円形の場所に高さ3メートルの雪山を作るのが一般的だそうです。
雪山が完成したら、次はかまくらの入り口を決めます。このときは、できるだけ風が直接入らないような方角を選ぶようにしましょう。
そしてどんどん中をくりぬいていけばよいのですが、あまり削りすぎてしまうと強度が落ちてしまうので壁は50センチメートルほどの厚みを残すようにします。
さらにかまくらの中に神棚を設ける風習のあるところでは、奥の壁を削って棚をつくります。雪の多い地方ではやっかいものの雪ですが、子どもの遊び道具としては喜ばれる存在なのですね。 |
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かまくらの中は意外と暖かいといわれますが、それはなぜでしょうか。それは単に雪の壁が風除けの役割をしているという理由だけではありません。
雪の壁の優れた断熱効果が発揮されているためでもあるのです。この断熱効果は雪の中に多く含まれている空気によるものです。
空気は熱を伝えにくい性質があるため、その空気を抱え込んだ雪の壁にも熱を遮断する効果があるのです。そしてこの効果は、冷凍食品などの保温に用いられる発泡スチロールに匹敵するとさえいわれる優れたものなのです。
かまくらの中では、七輪などの火によって暖められた空気が上へ昇り、天井まで昇ると行き場を失って下に降りるという循環が起こっています。かまくらの内部は比較的狭いため、この暖かい空気の循環もそれだけ活発に行われています。そして、雪の壁の断熱作用がこの内部の熱を外へ逃がさずにとどめるため、かまくらは暖かいのです。
また同時に、雪の壁は外の冷気を遮断して、かまくらの内部が冷えることも防いでいるのです。触れると冷たい雪も、上手に利用すれば私達を寒さから守ってくれるものになるのですね。 |